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ひだまり山荘ブログ

つつじ新道から四阿屋山

2021-06-30
つつじ新道の核心部。ちょっと怖かった
所沢店の成田です。

ちょっと前の5月11日ですが、
秩父は小鹿野町にある
四阿屋山(あずまやさん)に登ってきました。

標高は771メートルと高くはないですが、
春の四阿屋山には、
楽しさがギュッと詰まっていました。

道の駅に車を停めて、
つつじ新道登山口までの徒歩30分。
山麓にはウグイスの澄んだ声が響き、
山のそこかしこを藤の花が彩っていました。
朝から幸せな気分です。

つつじ新道は、痩せ尾根と岩場が続く、
一部危険個所アリのルートです。



咲いていたツツジはこれ一本だけ!
登山口からやや急な上りを詰めていくと、
間もなく、
つつじ新道一番の難所に取り付きました。

直立した岩場に、長いクサリが一本。
高度があって、落ちたらアウトです。

左手側のホールドはしっかりしていますが、
右手側はスラブ状なので、
クサリに頼って登るしかないのが、
ちょっと厄介です。

上級者コースと紹介されるつつじ新道ですが、
この手強いクサリ場一個所を
越えられるかどうかが、
キモだと思いました。
あとは難しくないです。

とかいいながら、

ナイーブな僕は、
ちょっと怖くなって、
この岩場で固まってしまいました(涙)。

この日はなぜか朝から体が重く、
そんな状態のまま、
ここまで来てしまったのも
原因のひとつでしょうか。

固まること暫し……、

いや待てよ
これって、まともに朝食を
とってこなかったからじゃないのか?
だから朝から体が動かないんだなっ。
そうなんだな!

と気づき、

いったん岩場の取付きまで戻って、
アンパンとおにぎり合わせて3点を
胃袋に詰め込んだところ、
すぐさま元気が湧いてきたので、
その勢いでこの岩場を通過しました。

朝食って大事ですね。気づくの遅いか。

攀じ登ったあたりから植生が変わって、
ツツジの木が現れ始めました。
が、当然この時期、花は枯れています。

それは知っててやって来ましたけどね、
まだ少しくらいは咲いてると期待したのに、
咲いていたツツジは、今回の山行を通じて、
たったの一本だけ!
満開の山藤以外、
ほとんど花は咲いていませんでした(涙)。

もうひと月早ければ、名前通り、
ツツジがいっぱいの道だったんだと思います。




飛行機雲と武甲山。左に横瀬の二子山……が隠れてます。
さて、山頂です。
山頂からの両神山の眺めは、
まさに想像通りの素晴らしさでした。

黒々とした両神山の姿を、
満足するまで独り占めしてきました。
両神山はいかにも山岳信仰の山、
といったフォルムですよねえ。

下山は両神神社奥宮から鳥居山コースへ。

途中、送電線の鉄塔のところで、
視界が大きく開けました。
ここは小鹿野の二子山と横瀬の二子山を
同時に見られるんですね!
遠くまで拡がる景色に感激です。

なぜかやたらと警戒してくるクマバチを、
うまくかわしながら、景色を満喫。

やがて下山路は、
緑豊かな雑木林の中に入って行きます。
で、ここが、ここが、
とっても良かったんです。


静かな雑木林の中は、
たくさんの鳥のさえずりで、
とっっても賑やかでした。
聞いたことのない声ばかりでした。

声に近づいても、
鳴き止む気配がないんですよ。
恋の季節なので、求愛に夢中なんでしょうかね。

僕も30年近く山に登ってきたけど、
こんなに鳥の声に聞き入った事ってなかったな。

そんなことを考えながら、
緑の中で、ひとり座って、
ずっと、その声を聞いていました。

花の季節は逃しましたが、
5月の四阿屋山は魅力がいっぱいでした。
最初から最後まで、
誰ともすれ違いませんでした。
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