秋山を楽しく登るために・・・・・・・荻原安廣(2006年10月14日)

10月の連休では、高山での遭難が相次ぎました。残念なことです。

白馬では7人パーティのうち4人死亡、単独行者も死亡、穂高では

4人パーティのひとりが死亡、というのが大ニュースになりました。

新聞・TV発表を見た限りですが、私は遭難原因が、たぶん装備の

不備だっただろうと思いますし、コース選択が適切だったかという

疑問が残りました。

装備に関しては、まず、同時期に近い所を登っていたパーティが

ほかにもいたのに、この九州パーティだけが遭難している

ことを見れば分かります。ピッケルやアイゼンを持てというので

はなく、冬下着、中着、アウターさえきちんとしていれば、かな

りの天候の急変でも、1晩や2晩は死にません。とくに9月下旬から

10月いっぱいぐらいというのはこうした事故が多く、これは、下界

が暑いから身体がそれになれていないこと、山の寒さが実感とし

て理解できないこと、そして山を登ると暑くなるから寒さ用の物は

いらないという心理、これらが原因のほとんどです。

たしかに、去年の10月20日に北アの爺ヶ岳に行ったときも、わりと暑くて

半袖の人がいましたが、今年は白馬のように吹雪になることもある、

それが秋山です。

コースについては、白馬の場合は、けやき平(祖

母谷)、つまり黒部側からのコースで、けやき平の紅葉も目的

のひとつだったかもしれません。しかし、稜線の小屋まで10〜12時間、

その間営業小屋はなく、多くのガイドブックではあまり紹介されなく

なったコースです。メンバーの力量がこの時期のこのコースに合って

いたか、つまり、引き返しても近くに小屋がないわけですから、そ

の点も疑問でした。

一方の穂高では、奥穂−西穂間は、昔から、縦走路

としては最難関コースとして知られており、このコースも、ガイドブック

からはずれ、点線さえつけないガイドブックもあります。現在こうした

コースは、私は一部ロープを使うコースと同等としてもよいと考えてい

ます。というのは、ロープを使うことを習熟した人は、このコース

なら少々の降雪でも脱出できるはずだからです。さらに、このコース

は奥穂から西穂へ行くのが一般とされていますが、遭難したグループは

逆に西穂から奥穂に向かっていました。



ともあれ、秋山、とくに森林限界以上に行く場合は、装備をしっかり、か

つ持ちすぎずと、いつもくどく言っている点を、今日も強調します。

すなわち、しっかりした装備とは、綿の入っていない保温性のある冬下着

(シャツ、タイツ、帽子、手袋、靴下など、肌に接するものすべて)、

保温性のある中着(冬用のカッターシャツ、フリース、セーターなど)、アウター

(GTXやエントラントなどフィルムのあるレインスーツか、それ以上

のもの)であり、これにお助けグッズのコンパクトダウンがあるとプラス

アルファが得られます。ひだまり山荘の私が以上のようなことを言うと

下心ありと思われるかもしれませんが今回の遭難は、反面教師としてと

らえてほしいと思い長々と書きました。安全で、憂えることがなく、楽しい

登山のために。

具体的なことはどうぞ直接お問合わせ下さい。